<歴史が動いてヒストリ庵~エンシューの衆ら~3> 第二章vol.3【二岐二俣また明日】

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※これはあまりにもフィクションです
※歴史認証はされておらず、あくまで個人の見解です
「あの源氏一派が来たぞ。」
と、混乱をきたした此処は国府見附。
混乱の中に1人冷静な男、伊豆からこのエンシューに移り住み
所領として受け取った相良の地を数10年かけて活性化してきた。
「相良の地の現況を報告しに来てみれば何事よ?都の奴らは
成っちゃいねーな。なっ五郎太夫よ。」
「左様で。」
相良と名乗るその男の傍らに、静かにうなずく男がたたずむ。
名は二俣五郎太夫、その男は彼の家臣ではなさそうだが
連添い人のようなものであろうか。
相良の男はさらにたたみかける。
「見てらんねぇーな。よし、いっちょ我らがやったるか。五郎太夫。
今ある穀物、酒、何でもいいからかき集めるぞ。んでだ、あとは、
祈祷をせねば。そこでだ、おまえさんとこの娘っ子。お願いできねーか?」
「承知いたしました。すぐに手配いたしましょう。」
五郎太夫には1人の娘子がおり
その者は才色兼備で不思議な力を持っていた。
故郷の天竜二俣より少し山沿いを上った所に犬居という地がある。
その地もまた人が良く通り豊かに住まう地であったが、度々水害災害に見舞われていた。
いつしかその地に三尺坊という高貴な坊さまが現れその地の災害を防いだという。
その力を彼女は受け継いだのだとか。
相良の男は、その力で太田川の氾濫を治めようと考えたのである。
「鎮守府将軍頼義様、並びご一同。氾濫の折りの見附滞在有難き幸せにございます。
しいては、ささやかながらの宴と氾濫を治める為の舞をご披露したいと存じまする。」
「うむ、良きに。」
急遽かき集めた穀物や酒、出来うるだけ源氏の一派を良くもてなした。
そして最後、五郎太夫の娘が「火の舞」を舞うのである。
「私の故里にいにしえより伝わる災いを治める舞をご披露いたします。」
そう言って娘は、くべてあった松明を両手に持ちくるくると自分の周りに無数の円を作った。
「おんひらひらけぇひらけぇーのぉそぉけー」
その光景たるや、炎の帯が連なり燃える渦の中に娘がいる様であった。
そしてその容姿は松、明の炎に照らされ神秘的に、なお美しくあり。
故に頼義の息子、義家は惚れた。

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